物価・賃金上昇を踏まえた産業医・学校医等の公的業務報酬の適正化を求める声明
近年、物価高騰や賃金水準の上昇が続く中、医師が担う産業医、学校医、予防接種業務、行政会議への参画などの公的業務に対する報酬は10年以上にわたり実質的に据え置かれたままとなっています。
この間、消費者物価指数は累積で約10~15%上昇し、最低賃金は全国平均で30%以上引き上げられてきました。民間企業においても、近年は年率5%前後の賃上げが行われています。
一方、医師の公的業務に係る報酬はこれらの経済環境の変化が十分に反映されておらず、実質的には大幅な目減りが生じています。産業医や学校医の業務は専門的知見と責任を要し、地域の労働安全や子どもたちの健康を支える不可欠な役割を担っています。しかし、報酬水準が現状のままでは継続的な担い手確保が困難となり、地域の公衆衛生体制の維持に支障を来すおそれがあります。
こうした状況を踏まえ、地域医師会としては過去の物価上昇等を反映した最低でも10~15%程度のベースアップを、産業医・学校医等の公的業務報酬に対して早急に行うよう、産業医雇用企業・行政機関などに強く求めます。
医師の専門性が正当に評価され安心して公的業務に参画できる環境を整えることは、最終的に地域住民の健康と安全を守ることにつながります。今後も行政との建設的な協議を通じ、持続可能な地域医療・公衆衛生体制の確立に取り組んでまいります。
令和8年(2026年)1月24日
一般社団法人甲賀湖南医師会 会長 淺田佳邦

