甲賀湖南医師会の新型コロナウイルス感染症への取り組みについて

甲賀湖南医師会の新型コロナウイルス感染症への取り組みについて

新型コロナウイルス感染症への甲賀湖南医師会の取り組みとしては、必要な検査ができるだけ速やかにできることと、感染症中核病院である公立甲賀病院の負担を軽減すべく、公立甲賀病院及び甲賀保健所との協議の上、2020年8月からPCR検査センターを立ち上げました。また、秋からはさらなる流行に備えて、滋賀県からの依頼に応じて甲賀圏域の16の医療機関が「診療・検査医療機関」として発熱患者さんへの対応を開始しました。さらに、新型コロナウイルスワクチンの住民への接種については、集団接種及び個別接種に積極的に協力を行っております。
PCR検査センターについては、診療・検査医療機関での対応によってニーズが減ったために一旦休止とさせていただきましたが、今後必要となった場合には再開する予定をしております。一方、先の第4波においては甲賀圏域においても病床の余裕がかなり厳しい状況となりました。来るべき次の流行において入院病床を有効に利用できるようにするとともに、自宅療養をされる方の不安と保健所の負担を軽減するために、自宅療養者の健康観察についても医師会として協力するための準備を進めております。住民の皆様へ

 昨年日本にもやってきた新型コロナウイルス感染症は、当初、得体の知れない感染症ということで恐れるあまり、感染した人や施設、学校などに対して誹謗中傷がなされ、クラスターが出た学校では本来する必要がない謝罪会見がされるなど、「コロナに感染するよりも感染したことで非難される方が怖い」という声もよく聞かれました。そして、日々の感染者数と『より一層感染対策を徹底しましょう』というメッセージが毎日報道され、コロナに罹りさえしなければよいというような雰囲気がみられました。戦いをする際には、敵に仲違いをさせることが重要な作戦の一つだと思いますが、新型コロナウイルスにおいてはまさにその戦略にまんまとはまっているように思われます。このウイルスは症状が出る前から感染性があるため、完全に感染を予防することは難しいことは当初から知られています。

 たしかに、新型コロナウイルスはまだまだ侮れない感染症ですが、感染しやすい状況(いわゆる「3つの密」)というのがだいたいわかっています。逆に、屋外で人との距離が十分取れているような状況では感染のリスクはほとんどなく、むしろ熱中症のリスクの方が断然高くなるので、屋外や運動中のマスクは感染予防効果よりも弊害の方が大です。変異を繰り返しながらウイルスの感染性は高まってきていますが、一方でワクチン接種も進んできており、私たちはこのウイルスと適切に共存していく必要があります。感染予防対策はやればやるほど大きく効果が上がるわけではありません。『ゼロリスク』を求めることは疲弊するだけであり、本当に有効で必要なことに絞ってそれを確実に行うことが大事です。

 テレビやネットなどでは不安を煽る番組や書き込みが多く、誤った情報も多く見られます。そして不安が強いとそうした情報をつい信じてしまいやすいので注意が必要です。新型コロナウイルスについてお知りになりたいことがあれば、厚生労働省のホームページ、あるいはそこで紹介されているサイトなど、信頼できる情報源から情報を得ることをお勧めします。また、ワクチンを受ける人が増えることにより、重症化や感染リスクを大きく減らすことが可能と考えられており、ワクチン接種が進むことを期待するとともに、必要な情報提供もさせていただきたいと考えております。※新型コロナウイルスに関する参考情報サイト(順不同)